なぜ?兵庫県では今年度『クマの狩猟禁止』

 11月13日から、秋田県・岩手県で警察官によるライフル銃を使ったクマ駆除の運用が始まりました。市街地にクマが出没した際には、「緊急銃猟」の支援などを行うということもあるということです。

 東北地方の状況に対し、兵庫県ではクマによる人身被害の事例があまり見られません。2023年度は0件、2024年度は2件、そして全国で被害が非常に多い今年度(※8月末時点)は、1件のみとなっています。

 県によってもクマの数は違うため、一概に少ないと言い切ることができるものではありませんが、「比較的抑えられている」ということです。

 全国の他の自治体ではクマの狩猟の取り組みが拡大されているところがある一方、兵庫県では今年度、クマの数が減っているためクマの狩猟禁止するということを決めています。

 一体どういうことなのか?それは“数をコントロール”しているということです。

 兵庫県のクマ対策に関わる兵庫県立大学・横山真弓教授によると「兵庫県はクマの頭数を把握し、設定した目安のもと数を管理している」ということです。

 では、クマの数をどのようにして把握するのかでしょうか。兵庫県では20年以上前から、以下のような方法を取っています。

▽捕獲したクマたちマイクロチップをつけて放つ
▽次の捕獲期間で捕まえたクマのチップの有無を確認
▽マイクロチップ付きのクマの比率によって、年ごとの個体数を推定

 捕まったクマに「マイクロチップがついてる個体」が多ければ増加の規模は大きくないとされ、逆に「マイクロチップがついていない個体」が多く捕まると増加していると考えられる、ということです。