岩手や秋田では「頭数把握5年に1度」自治体での対策の難しさ

 兵庫県はこのようなクマ対策をとっていますが、全国では難しい部分もあるといいます。

 岩手県の担当者によると、「頭数把握は5年に1度。2022年で約3700頭。毎年調査をする余力なし」といい、秋田県の担当者も「頭数把握は5年に1度。2020年で約4400頭。把握より駆除を重視」ということです。この現状からは兵庫県のような頭数の管理をするのは難しいようにも見えますが、横山真弓教授は「実情把握しないと対応も遅れる。予算・人材・体制など不十分」といいます。

 兵庫県で数の管理を続けることができているのは、まだクマの頭数が少なかった頃に施策を開始しているためと考えられます。兵庫県がクマ管理政策を始めた約20年前は100頭前後だったということで、現在とは規模感が異なるようです。