「こっちをさらに痛めつけたいのか」亡くなった男の子の父親は、裁判後、カメラの前でこう語りました。冷静さを保とうとしているようでした。2024年、高知の自動車専用道路で、1歳の男の子が死亡した正面衝突事故。車線をはみ出し、事故を起こした被告の男は、初公判で「事故の少し前から記憶がない」と語りました。

子どもの写真を手に、暗い面持ちで裁判所の前に現れたのは、大阪府の神農諭哉さんと妻の彩乃さん。

時折、下を見つめながらも、確かな足取りで裁判所に入りました。1歳の我が子を失った正面衝突事故の、対向車の男の裁判です。