今度の16日に投開票を迎える霧島市長選挙です。今月9日に告示され、現職と新人あわせて3人が立候補しました。8月の集中豪雨を受けて、「災害に強いまちづくり」が争点の1つになっています。

(山田龍治 候補 無・新)「選ばれるまち。そして稼ぐまち。この霧島が4年間で、はっきりと変わったねと言ってもらえるまちに必ずする」
新人の山田龍治さん(50)は、衆議院議員の秘書などを経て、霧島市議を1期務めました。市長選への立候補は3回目で、水道料金の10パーセント値下げや第2子以降の保育料の無料化などを訴えています。

(今吉直樹 候補 無・新)「現状維持が続くとふるさとがなくなる。皆さん、一緒にこの霧島の現状を変えよう。子どもたちのために、皆さん一人一人のために。よろしくお願いします」
新人の今吉直樹さん(45)は、霧島市の職員や市議を経て、市長選に初めて立候補しました。市民の声を生かす市政運営や地域おこし協力隊を活用したまちづくりなどを掲げています。

(中重真一 候補 無・現(2))「霧島市がまた新しいステージに立つ時期が来ている。より発展する霧島市をつくっていく」
現職の中重真一さん(48)は、霧島市議や県議を務めたあと、8年前の市長選で初当選しました。観光情報の発信強化やふるさと納税を活用した「こども基金」の創設などを訴えています。
3期目を目指す現職に新人2人が挑む今回の市長選。争点の1つが、防災の強化です。

(記者)「災害から3か月以上がたちましたが、爪痕は残されたままです」
8月の集中豪雨では住宅の全壊が8棟、半壊が14棟、浸水被害は1000棟を超えました。
霧島市福山町では川が氾濫し、橋が崩落。集落には土砂が押し寄せました。

(恒吉明美さん83歳)「ここは宅地だった。車も引き上げないといけないけれど。早く国でもどこでもいいから手をつけてほしい。全然手つかず」

「災害に強いまちづくり」について候補者は…
(山田龍治 候補 無・新)「防災の無線などを含めて、市民の皆さんに伝わったのか、ソフトの部分をしっかりと検証して、ハードをしっかりやっていく。雨量がどういうときにどういう対応するか、しっかりマニュアル化し、避難もこのレベルだったらここに避難してくださいというメッセージが出たらしっかり避難する」
(今吉直樹 候補 無・新)「避難所において水が一番、問題になる。トイレや洗濯やお風呂、生活用水は防災井戸で補う。飲料水はある程度、輸送されてくるが、大量にいる水は霧島の水を生かすこともやっていく」
(中重真一 候補 無・現(2))「浸水したときにセンサーでLINEに通知が届く浸水センサーを整備していた。それによって車の浸水等の被害を免れた人たちもいる。その浸水センサーのエリアを広くするとか、全体的に浸水に強いまちづくりを進めたい」

もう1つの課題が地域間の格差です。霧島市は2005年に1市6町が合併して誕生。人口は12万2493人で、鹿児島市に次いで県内2位です。合併して20年、12万人台を維持していますが、国分・隼人の中心市街地と周辺部の格差が広がっています。
(60代)「人口が密集しているところと、少なくなっているところがある。中山間地の復興に取り組んでほしい」
(保育士40代)「人手不足が気になる。これ以上は減ってほしくない」

地域間格差の解消やまちの活性化について、
山田さんは「ふるさと納税で寄付を集めて財源を確保し、市民の生活を豊かにしたい」
今吉さんは「地域の個性を生かしたビジョンを市民や民間と立て、まちの未来予想図をつくりたい」
中重さんは「中山間地域への移住支援や雇用の受け皿づくりを進め、人口増につなげたい」と主張しています。
霧島市長選挙は今月16日日曜、投開票日です。














