ボクシング世界バンタム級4団体統一戦の前日計量が12日、神奈川・横浜市内で行われWBAスーパー・WBC・IBF世界バンタム級3団体統一王者・井上尚弥(29・大橋)は2回目の計量でクリアした。
試合前日から両陣営とも緊迫ムードとなった。この日の体重計は日本で通常使われるおもりを使用した計量台ではなく、デジタルの体重計だった。WBO世界バンタム級王者・バトラー陣営の強い要望を受け、両陣営の合意の上で計量1時間前に変更が決まったという。JBC(日本ボクシングコミッション)は複数のデジタル計を事前に試し、最も正確なものを使用した。
緊張感が高まる中、計量台に乗ると井上尚弥は1回目でバンタム級のリミット(53.52キロ)を30グラムオーバーした。今までとは違うデジタルの体重計となり井上はプロ戦績23戦目にして初めての体重超過に苦笑いを浮かべた。しかし、慌てることなくその3分後に行われた再計量では100グラム減らし、53.45キロでクリア。一方、対戦相手のWBO世界バンタム級王者のポール・バトラー(34、イギリス)は余裕の表情を浮かべ53.50キロと一発でパスをした。
井上は計量後、「最後はきつかったですけど、順調に仕上がったのであとはここからリカバリーをしっかりして体重をしっかり戻して、いいイメージでリングに上がれればなと。バッチリです」と決戦に向けて口にした。これまで3本のベルトをKOで奪った井上が今回もKO勝ちすれば世界初の“4団体全てKO奪取”となる。