“北極の氷”が日本の冬を左右?

藤森祥平キャスター:
北極圏の海氷面積ですが、1979年にはあった部分が、2025年にはなくなっています。

気象予報士 森田正光さん:
だいたい日本列島8個分がなくなり、毎年北海道1個分の海氷が消えている状況です。今後、ますます温暖化によって海表面積が小さくなっていくと思います。

藤森キャスター:
このままどんどん進むわけですよね。海表面積が小さくなるとどうなるのでしょうか。

気象予報士 森田正光さん:
一言で言うと、極端な気象が多くなります。

そもそも氷には重要な役割があり、太陽光の約8割を反射します。ところが、氷が溶けると海は太陽光の約1〜2割程度しか反射しないので、海が温まります。そのため悪循環が始まり、氷がなくなればなくなるほど、海水温の上昇が起こります。

藤森キャスター:
海水温が上昇することで、さらに氷が溶けやすくなるわけですね。

トラウデン直美さん:
毎年減少していけば、北極の氷がなくなってしまう未来もあるのでしょうか。

気象予報士 森田正光さん:
そこまで極端なことはすぐには起こらないと思います。今は氷河がある時代なので氷河期ですが、かつて恐竜が生きていた時代は、北極や南極の氷がなかったようです。何十万年という単位で見たらあるかもしれませんが、今現在はそういうことは起こらないですね。

今年の冬は暖かい?寒い?カギは「偏西風」

小川彩佳キャスター:
北極の氷が減少している影響で、私たちに関わる部分で起こりうることはどういうことでしょうか。

気象予報士 森田正光さん:
一番重要なのが、偏西風の位置です。
偏西風は簡単に言うと、暖かい空気と冷たい空気の境目に流れています。暖かい空気が北の方に上がると偏西風も上がります。

つまり、北極圏の氷がなくなると、その分暖かい空気が北へ入りやすくなり、押し上げられた偏西風は、その分南の方に下がり、蛇行した偏西風となります。

そうすると、暖かい空気のところではものすごく気温が上がり、逆に冷たい空気が入ってくるところは、すごく寒くなります。

藤森キャスター:
通常の偏西風はまっすぐに吹いているのでしょうか。

気象予報士 森田正光さん:
イメージを大きく言うと、まっすぐと蛇行を繰り返しているのですが、その蛇行の頻度が大きくなる、あるいは蛇行する場所が変わることによって、極端な天候が現れやすいところと、現れないところが出てきます。

トラウデン直美さん:
空気がとどまることで、極端な気候が起こりやすくなるということでしょうか。

気象予報士 森田正光さん:
簡単に言うと、偏西風が早いときの方が天気は綺麗に移りますが、偏西風が蛇行すると、例えば太平洋側では低気圧が発達して、大雪が降ることがあります。

トラウデン直美さん:
一度ここまで大きく蛇行してしまうと、なかなか簡単には戻らないのでしょうか。

気象予報士 森田正光さん:
偏西風は基本的には繰り返しますが、その度合いが大きくなるということが問題です。

通常西から東に吹いている偏西風が、今年の場合、大きく蛇行するのではないかと気象庁は考えています。

偏西風が南に下がっている場所には、北からの寒気が入ってきます。ところが偏西風が北に上がってくるところでは暖気が入るので、日本列島は寒くなりますが、隣の中国はものすごく暖かくなる可能性があります。偏西風がずれると、逆に日本列島が暖かくなることもあり得ます。