■人魚のミイラをCTスキャン 科学の力で次々に「新事実」が


科学的な好奇心からミイラが運び込まれたのは、大学付属の動物病院にあるCT室です。

もちろん人魚の撮影は初めてです。


(倉敷芸術科学大学 武光浩史准教授)
「獣医の、特に教員の間では『どれだけ変わった動物を撮るか』が割と自慢のネタになったりするので、テンション上がりますよね」


それから2か月後、プロジェクトチームは中間報告を発表。驚くべき事実が分かりました。

(倉敷芸術科学大学 加藤敬史教授)
「肩から上、頭部は…ほ乳類。特に霊長類、サルのような外見をしているが、歯は、ほ乳類の歯とは似ていませんでした」


(倉敷芸術科学大学 加藤敬史教授)
「円錐形の歯ですね。ちょっと内側に曲がっているんですけども、円錐形の同じ形の歯がずっと並んでいます。近い生物だと『は虫類』や『肉食性の魚類』がこういう歯を持っている」


ほ乳類?魚類?それとも…さらに、腕や肩などにも「ウロコ」が隠れていることがわかりました。

(倉敷芸術科学大学 加藤敬史教授)
「胴体部分と上半身部分では『異なる形状のウロコ』がある」


この画像では(画像参照)、「青色の矢印」=胴体部分のウロコが丸みを帯びているのに対し、「黄色の矢印」=腕部分のウロコはまきびし状です。


(倉敷芸術科学大学 山野ひとみ准教授)
「一般的な魚では、体の部位によって多少、形は違ったりしますけど、その構造が変わることは…まずない。上半身と下半身が全く別の形状のウロコで覆われているということで、非常に特殊な形態を持っているということが言えると思います」