《差し伸べた手が拒まれることも…葛藤の日々》

相談判定課(児童福祉司)西澤耕平さん
「児童相談所と名乗るだけで壁を張られる。『え?なんですか?』という保護者はいらっしゃって、児相は取っつきにくいとか、児相が関わると、大ごとになっていると思われてしまうことはあるので、いきなり突き詰めた話をしないとか、日常の会話から相手が困りごとを出せるように意識してやっている」

「ケース対応や相談対応が重なることはあるので、そうした精神的に追い詰められるタイミングとかで、保護者や児童から、あまり嬉しくない言葉掛けをされることもある。人間なので落ち込んだり、ちょっと嫌な思いをしたりということも正直ある」

差し伸べた手が、常に受け入れられるわけではないと言います。支援は、年単位にも及ぶこともあり、押し寄せる問題に職員は追われる日々です。

それでも、子どもたちの成長に力をもらいながら。痛ましい事件を再び繰り返さないため、児童相談所の職員たちは、その歩みを進めています。

堀啓知キャスター)
 児童相談所が取り扱う事案としては、虐待が多い印象ですが、発達障害であったり、家庭内での非行であったりなど、対応に行き詰ってしまった保護者からの相談も受け付けているんですよね。

森田絹子キャスター)
 西澤さんも、虐待事案のその後の支援や障害に関わる担当課に所属しています。児童福祉司のみなさんを取材すると、幼少期という子供にとって大切な時期に関われること。そして一歩一歩成長している姿を見ることにやりがいを感じているということです。

堀啓知キャスター)
 何かしらの困難さを抱える子供や家族をどう支えていくのか。支援任せでなく、地域でも考える必要があります。