11月2日に静岡県御殿場市内の山林で採取した野生のキノコを食べた1グループ11人全員が嘔吐の症状を訴え、食中毒と診断されました。静岡県によりますと、ツキヨタケによる食中毒ということで、県が注意を呼びかけています。

食中毒と診断されたのは、御殿場市に住む親族の4家族11人で、男性5人(6歳〜71歳)、女性6人(1歳〜66歳)です。

静岡県衛生課によりますと、11月2日に患者のひとりが山林で採取したキノコを野生しいたけと誤認して持ち帰り、親族の会食で長崎ちゃんぽんの具として調理し喫食したところ、約1時間後に全員が嘔吐の症状を起こし、医師の診察の結果、食中毒と診断されました。患者11人は入院はせず、現在は全員が回復しているということです。

県の調査で、食中毒の原因は「ツキヨタケ」という毒キノコだったことが判明しました。

ツキヨタケは夏から秋にかけて枯れ木に発生し、シイタケやムキタケに似ているため誤食されやすいといいます。食後30分から1時間程度で嘔吐、下痢、腹痛などの症状が現れるのが特徴です。

県衛生課では、野生キノコによる食中毒を防ぐため、「知らないキノコは採らない、食べない、売らない、人にあげない」の4点を徹底するよう呼びかけています。

県内では本件を含め、2025年に入ってからの食中毒発生件数は20件、患者数は716人となっています。前年同期と比べると、件数は7件、患者数は401人増加しています。