およそ60年前、宮城県石巻市から輸出された「種ガキ」が、危機に陥っていたフランスのカキを救ったことがあります。当時支援を受けた生産者の子孫たちが5日、石巻を訪れました。

石巻市を訪れたのは、フランスのカキ養殖の産地、マレンヌ・オレロン地方の生産者ら5人です。水産加工会社「三養水産」を訪ね、フランスと三陸産カキの成育の違いなどについて意見を交わしました。

フランスでは、1960年代にカキが大量に死に、石巻産の「種ガキ」を輸入し危機を脱しました。訪問者の1人、マチュ・ボンさんの祖父は、当時支援を受けた生産者です。また、案内役を務めた三養水産の辻尚広社長は、祖父が輸出に携わりました。生産者の子孫が、60年の時を超えて交流しました。

マチュ・ボンさん:
「とても感動している。祖父が歩んだ道をあらためて来ることができてうれしく思う」
三養水産 辻尚広社長:
「プライベートでも先代が歩んだフランスの地に一度は行ってみたいと思っていた。点と点がつながってこのような機会が設けられて感動しかない」

一行は、フランス産カキのPRイベントで来日し、石巻に立ち寄りました。およそ60年前のカキでつながった縁。当時の写真や映像を通して、互いに交流を深めていました。