与党入りした日本維新の会で、藤田文武共同代表の政治資金をめぐる疑惑が浮上した。公設第1秘書が代表を務める会社への発注について、元大阪府知事・市長で弁護士の橋下徹氏はMBSの番組で、「禁止ルールがなくても、やったらあかん!」と法律遵守だけでなく、政治家としての倫理観の重要性を指摘した。
▼公設第一秘書の会社に2000万円発注 報道
「しんぶん赤旗」日曜版が報じたところによると、日本維新の会の藤田共同代表の事務所が、公設第1秘書が代表をつとめる会社にビラデザインなどおよそ2000万円分を発注し、うち9割以上が政党交付金などの公金だった(2017年から2024年)という。また会社を通じて、公設第1秘書本人に年720万円の報酬が支払われていた形になるという。
この報道に対し藤田氏はXで、「全て正当な取引であり、適法だ」と主張。また自身のYouTubeでは「(秘書の会社への発注は)誤解や疑念を生むとの指摘を受け、一切行わない。この指摘は真摯に受け止める」と発言している。報道以降の一連の流れについて、維新の「創業者」でもある橋下徹氏は、「禁止ルールがなくてもやったらあかん!」と断言した。
▼ルールがなくても控えないといけないのが政治家
「藤田さんは4日に記者会見を開くと言っています。おそらくこれは違法ではない、と言うと思います。現行法では違法ではないんですが、ルールがないから何でもやってもいいってわけじゃなくて、ルールがなくても控えなきゃいけないのが政治家なわけです。」(橋下氏)
また藤田氏の姿勢の変化についても指摘した。
「藤田さんの言い分は、最初は全然悪いとは思っていなくて。赤旗が指摘したことに関して、『正当な取引、何言うてんねん』みたいな感じだった。ただいろんな批判が出ることによって、やっぱり今後はやらないってことになったんです。」
▼取引で身内の会社を間に入れるのは「胡散臭い」
橋下氏は一般論として、身内の会社を間に入れる取引を「胡散臭い」と表現した。
「藤田さんの話じゃなくて、世の中で、大体何かの取引のときに、ファミリー企業を間に入れてっていうのは、胡散臭い取引なんですよ。不動産の売買でも何でもそう。藤田さんは怪しくない、全て正当だって言うんだけども、そう見られてしまうようなことはやっちゃいけない。」
「年間200万円ぐらいの取引しかない、というけれど、中小零細企業、それからフリーランスは200万円の仕事を取るのに必死なわけですよ。それを身内のところにポンと仕事を出すんじゃなくて、できる限り外へ発注してあげればいい。秘書も秘書で給料もらってる範囲でビラの企画とかもやればいい。僕は政治家としてはこれはやっちゃいけないことだと思います。」
▼「身を切る改革をやるんだったら、やっちゃいけない」
維新は「身を切る改革」を前面に打ち出している。今後の社会保障改革との関連についても触れた。
「維新はこれから社会保障改革をやって、OTC類似薬を保険適用外にするとか、医者に行ったとしても、薬局でこれまでより高い額で薬を買わなきゃいけない、というようなことを、維新は改革でやると言っている。それに僕は賛成なんですが、そういうことをやるんだったら、こういうことをやっちゃいけないです。」
藤田共同代表は、4日に記者会見を開く予定だ。与党入りして改革を推進しようとする中で浮上した今回の指摘について、本人からどのような説明があるのだろうか。
(2025年11月3日 MBS「よんチャンTV」より)
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