およそ360年前に発生した日向灘を震源とする「外所地震」について新たな見解です。
宮崎公立大学の山下裕亮准教授らの研究で、外所地震には「前震」があった可能性があることが分かりました。
1662年9月20日、日向灘で発生した「外所地震」。
宮崎市南部から日南市にかけて、強い揺れと大きな津波が発生したと考えられています。
日向灘地震を研究する宮崎公立大学地域連携・防災研究センターの山下裕亮准教授は、その被害について、ある疑問を抱いていたといいます。
(宮崎公立大学地域連携・防災研究センター 山下裕亮准教授)
「少なくともこの100年、われわれが経験したことないようなとにかくすごい地震だったはず。それでもわずか、この飫肥藩(日南市と宮崎市の南の方)の中でも15人しか亡くなってない。それを考えたときに、どうしてこんなに死者数が少ないんだろうなというのはずっと疑問だった」
山下准教授は、産業技術総合研究所と共同で当時の様子を記した過去の文献などを調査。
そして、ある文献から裏付けとなる記述を発見しました。
その文献が、宮崎市清武町出身で、幕末の儒学者である安井息軒の家系図。
息軒の5代前に当たる人物の妻に関して、外所地震に関する記述があったのです。
(安井息軒記念館 伊東 但 館長)
「寛文2年(1662年)9月19日の夜より地震があった。その夜のうちに津波が到達するということで、これを書いた人たちが山の上に避難をしている。そのときに(妻が)子どもを出産したと」
山下准教授らは、外所地震が発生した9月20日の前日の19日の夜から地震が発生していたとう点に着目。
過去100年の日向灘の地震の特徴なども踏まえ、「前震」があったと推察しました。
(宮崎公立大学地域連携・防災研究センター 山下裕亮准教授)
「臨月の妊婦が、夜中に地震が起こって津波から逃れるということがいかに大変か。そういったことを考えたときに、これが前震だったと考えれば、前震で避難をした。なので命が助かった、と考えることができるのではないか」
山下准教授は、前震で住民が避難し被害の軽減につながった可能性があることは、現代を生きる私たちにも「事前避難」の教訓になると話します。
(宮崎公立大学地域連携・防災研究センター 山下裕亮准教授)
「なかなか『南海トラフ地震臨時情報』自体がまだ周知が進んでいないというところもあり、ましてや『事前避難』をするなんてことをご理解いただいている方もそうなかなかいないが、(事前避難を)ご検討いただければいいと思う」
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