スタジアムシティ開業1周年を迎えての、商店街の反応を聞きました。

長崎スタジアムシティからおよそ2.5キロ離れた長崎市浜町のアーケード。浜んまち6商会の本田会長はこの1年、スタジアムシティの開業によって人の流れが増えたと感じています。

浜んまち6商会・本田時夫会長「一番感じるのは試合のあるとき。今までの観光客・インバウンドとは別の層といいますか。そういった方々が町にも来ていただいてるのは実感します。」

スタジアムシティと町中を結ぶ一つのアイデアとして生まれたのが、必勝祈願の巨大な絵馬。2024年、銅座町商店街組合などが企画してビルの屋上にある銅座稲荷神社に設置されました。

このほか商店街では、試合に合わせて思案橋までの路面電車の無料券を配布したり、思案橋横丁会の主催で、試合後の打ち上げイベントなどを企画しています。しかし、開業効果を十分に生かせているかと言えば必ずしもそうではないといいます。

浜んまち6商会・本田時夫会長「例えば売り上げ上がりましたかっていうことを聞かれると、イベントのあるときには若干お客様増えるねっていう程度ですかね。町がどういう恩恵(を受けたか)かということを改めて見ると、まだそれははっきりとした形では出てないと思います。」

本田会長はこの1年肌で感じた、スタジアムシティからの人の流れを市民も巻き込んで商店街全体の賑わいに繋げられるかが、今後の課題としています。

浜んまち6商会・本田時夫会長「この街中とスタジアムとの繋がりっていうことがもっと市民の方にも認知をされて、サポーターの方を歓迎するということはこれまでもやってまいりましたけれど、ブラスそういった催しや企画が市民の方にも感じていただける。そういう広がりをこれからも作っていかないといけない。」

【平】本田会長もおっしゃっていましたが、スタジアムシティの開業効果を最大限取り込むための更なる取り組みが必要です。
これは交通アクセスもさることながら、街なかに行きたいと思わせる仕掛けが必要だと思います。例えば、観光地は南部市街地に多いですから「観光地+α」の「+α」に知恵を絞り、実行しなけばなりません。

【住】「+α」ですね。例えば、どんなことでしょうか。

【平】まず大切なのは曜日や時間帯です。スタジアムシティでイベントがある曜日のイベント開始前とイベント終了後の時間帯に力を入れるということです。特にナイトゲーム終了後の飲食に不自由されているアウェイからのサポーターを見かけますが、こうした方々を呼び込むためには、以前にこのコーナーでも取り上げた「食の集積地」のようなものが必要だと思います。いずれにしても、スタジアムシティの来場者が何を求めているか「マーケットイン」の発想で商品・サービスを提供しなければならないと思います。

【平】また、長崎県全体という視点で捉えると、ハウステンボスとの周遊性の向上に期待したいところです。11月2日のハウステンボスでのパブリックビューイングにおいては、ハウステンボス歌劇団と長崎ヴェルカVELCの出演があるほか、ハウステンボス入場チケットのプレゼントがあるとのことです。今後、いろいろなコラボに発展することに期待したいですが、問題はハードです。
まずは交通網の整備が必要であり、西彼杵道路や、長崎自動車道の東そのぎインター以北の高規格道路整備は必須だと思います。

【平】いずれにしても、長崎スタジアムシティは民間施設ですので、まずは自らの施設に資源を投入されるのは当然のことです。周りで待っているだけでは、その効果を取り込むことはなかなか難しいです。やはり、周りにおいても戦略とスピード感を持った対応が求められます。まさに知恵の見せ所だと思います。

【住】あとは、V・ファーレンがJ1に昇格するかどうかも、2年目の来場者数や経済効果に大きく影響しそうですね。

【平】J1とJ2では、特にアウェイからの来場者数が全く違いますし、県内でも見に来る人が増えるでしょうから、その効果は大きいと思います。
実は、チームが強いと観客数が増えるデータもあります。実際に、今シーズンの下平監督の時の1試合の平均入場者数は14,522人でしたが、高木監督に代わってから先週土曜日までの試合では平均17,055人に2,533人も増えています。
V・ファーレン長崎が頑張ることは、スタジアムシティや長崎の街を盛り上げる大きなカギの一つになると思います。シーズンも残り4試合になりましたから私自身、サポーターの立場としても何としてでも、J1に昇格して欲しいです。