2025年9月、国内最大級の竜巻被害を受けた静岡県牧之原市では、屋根瓦が吹き飛ばされる被害が数多く確認されました。瓦は周囲にも大きな被害を与える恐れがあり、瓦の防災対策も重要なポイントです。
<社会部 野田栞里記者>
「牧之原市の突風被害があった現場です。屋根が飛ばされてしまっています」
9月5日に牧之原市を襲った国内最大級の竜巻は、1100棟以上の住宅などに甚大な被害をもたらしました。中でも多かったのが屋根瓦の被害です。
<被災した見崎芳生さん>
「(瓦が飛ぶことは)思わなかったです。車も瓦が飛んできて穴が開いている状態で」
見崎さんの家では、屋根瓦の3分の1ほどが飛ばされました。牧之原市細江にある「照国寺」も、竜巻で屋根瓦が飛ばされ、「半壊」の判定を受けました。
<渡邊商店 渡邊大輔社長>
「本堂に関しては、こちら側から竜巻が通り抜けていったものですから、すべて瓦がめくれてしまっている状態です」
修復工事にあたる「かわらぶき技能士1級」の渡邊さんは、今回の竜巻被害では、古い木造家屋の屋根瓦が飛ばされるケースが目立ったと言います。
<渡邊社長>
「原因としては、今から50年以上前のやり方なので、釘穴があるんですけど、釘留めされてないんですね。それでめくれてしまっている」
建築基準法では、以前は屋根瓦の周辺部分だけを固定するよう定めていましたが、2022年に法律が改正され、いまでは瓦1枚1枚をビスや釘で固定することが義務付けられています。
<渡邊社長>
「当時は、ここの部分(屋根の先端)が固定していないので、みんな風でめくれあがってしまう。こういうところが固定されていないのが一つの原因」
現在では、災害に強い瓦も販売されています。
<名倉ルーフ 名倉孝次社長>
「日本瓦の防災瓦です。固定方法として、釘止めがありまして、ここに防災機能があります。これがここにはまって下の瓦で上の瓦を押さえる。風が吹いてもめくれ上がらない」
また、樹脂などで出来た強くて割れにくい瓦もあります。
<名倉社長>
「防災瓦への吹き替え、これも一つの手段かと思います。ご検討いただければと思います」
かわらぶき技能士1級の渡邊さんも、瓦の重要性を主張します。
<渡邊社長>
「60年70年、下手したら100年持つものですから、なかなかメンテナンスっていう部分ではおっくうになってしまいますから、台風がきたというところで1回、目を屋根に向けてもらって、防災対策していただければ」














