アメリカ側の“2つの弱点” 日本と協力強化が狙いか

井上貴博キャスター:
トランプ大統領のアジア外遊の焦点は「米中首脳会談」ということで、大国同士の話し合いはどうなるのでしょうか。

9日、中国はレアアースの輸出規制を発表しました。

25日・26日に米中貿易協議が行われ、アメリカ・ベッセント財務長官によると、▼中国は輸出規制を1年間延期する見通しを示し、一方、▼アメリカは追加関税の見送りを示したということです。

そして、30日に韓国で行われる米中首脳会談で最終的な合意がされるとみられています。

ワシントン支局長 涌井文晶:
トランプ大統領の日本訪問の狙いとしては、アメリカの弱点である、▼レアアースの調達、▼造船といった点で日本との協力強化が目的とみられます。

レイアースの調達というのは先端産業には欠かせないので、中国依存の状況を脱したいということでしょう。中国側は輸出規制の1年間延期という見通しを示していますが、1年でアメリカが自分で調達できる状態になるわけではありませんので、やはり日本と共同で調達を強化するというところが大きな狙いになります。

もう一つ、経済安全保障分野でアメリカが穴になっているのが造船です。

造船の能力も今、アメリカは中国の200分の1しかないと言われていて、自前では全く船が作れないという状況です。ここも日本の協力を得て、弱点をなくしていきたいと考えています。

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<プロフィール>
中島哲平
TBS報道局政治部 官邸キャップ
過去に石破氏のドキュメンタリー映画制作

涌井文晶
ワシントン支局長 トランプ氏を2年半取材
アメリカでは日本酒が飲めないのが悩み