高市氏が自⺠党総裁選に勝利して以降、市場では“株高”と“円安”が同時に進行する「高市トレード」とも呼ばれる現象が起きています。株価が3500円以上高くなった一方、円は5円以上安く...一体何が起きているのでしょうか。

高市氏「国債の発行もやむを得ない」発言で円安に影響か

日銀の理事を務めた早川英男さんによりますと、「高市氏の『国が呼び水的な投資をする』という発言などを受けて、政府が積極的にお金を使うことで景気が良くなるのではという期待が膨らみ株価が上昇した」ということです。

一方で、そうした出費の財源について高市氏は、「国債の発行もやむを得ない」と発言するなどしているため、“国の借金が増えるかもしれない”と受け止められたことなどから円安が進みました。
また、高市氏が過去には円高につながる日銀の利上げに否定的な姿勢を示していたことも円安を後押ししているといいます。

そして、円安が進めば輸出関連企業にはプラスに働くので、株価を一層押し上げる要素にもなっています。

例えば、日本で300万円する車をアメリカに輸出する際、1ドル=100円なら3万ドルですが、円安が進んで1ドル=150円になれば2万ドルとなり、アメリカで買う人にとっては割安になるので、日本車が売れやすくなります。そのため円安は、少なくとも短期的には輸出企業に有利に働くと期待されています。

しかし、これが日本国内への輸入となると、円安は物価高に直結します。例えば1個1ドルのオレンジを日本に輸入した場合、1ドル=100円の時は100円ですが、円安で1ドル=150円になれば、そのまま150円に値上がりします。