仙台市博物館で開催中の特別展「徳川十五代将軍展」。初代から十五代までが勢ぞろいしている甲冑について見どころをお伝えします。
2回目は、初代・家康の武運にあやかった将軍たちの甲冑です。

一堂に会した徳川歴代の甲冑。
その中には、姿かたちがよく似ているものがあります。

四代・家綱(いえつな)

七代・家継(いえつぐ)

そして、十代・家治(いえはる)。

初代・家康が関ヶ原の合戦で着用した甲冑「歯朶具足(しだぐそく)」を模した甲冑です。

家綱以降、歯朶具足の写しをつくり、正月に「具足祝(ぐそくいわい)」として飾ることが徳川家の習わしとなりました。

◥◣◥◣◥◣ ここに刮目! ◢◤◢◤◢◤

歯朶具足の写しをつくった歴代将軍のなかでもっとも忠実に写したのは四代・家継ですが、それぞれ同じように見える甲冑にも、よく見ると違いが。

仙台市博物館・小田嶋なつみ学芸員:
「今回の展示では、家康をはじめ四領の歯朶具足を展示している。それの前立、シダの葉っぱ、獅噛(しかみ)という空想上の動物の飾りをよくみると、顔や葉っぱの形、葉っぱの枚数が違っています」

仙台市博物館・小田嶋なつみ学芸員:
「それぞれ違いを楽しんでほしい」

戦の必需品から天下泰平の象徴へ――。歯朶具足を写した甲冑は、家康の偉大さと時代の移り変わりを私たちに伝えています。