警察庁はきょう(24日)、ストーカーやDV=ドメスティックバイオレンスなどの人身安全に関する事案で司令塔の役割を担う全国の警察幹部を集めた会議を開きました。
この会議は、今年4月に川崎市でストーカー被害を訴えていた女性が元交際相手に殺害された事件を受け、全国の警察に司令塔が設置されて以降、初めて開催されるものです。
神奈川県警は先月(9月)、この事件の対応をめぐる検証報告書を公表。報告書では、警察署と警察本部、双方の対処体制が形骸化して機能不全に陥っていたことや、生活安全部門と刑事部門の連携不足など組織的・構造的な問題点が指摘されました。
会議の冒頭、警察庁の楠芳伸長官は「この事案を重い教訓として受け止める」と述べたうえで、「人身安全関連事案への対処をより的確なものとする取り組みを一層推進する必要がある」と指示しました。
警察庁によりますと、去年1年間に全国の警察に寄せられたストーカー、DV、児童虐待などの人身安全関連事案は、あわせておよそ32万件にのぼります。
これらについて楠長官は、年間32万件に対処する「量的な困難性」と、被害者の安全確保を最優先に危険性・切迫性を的確に判断するといった「質的な困難性」を併せ持つ、極めて専門性の高い分野だと説明。そのうえで、「警察官個人の力量によるのではなく、組織的に対応することが極めて重要。その要となるのが本部対処体制の司令塔だ」と強調しました。
また、現在、都道府県警によってストーカー規制法に基づく警告などの件数にばらつきがみられると指摘。今後、警察庁はタイミングを逃すことなく、速やかに警告を出したり、被害者からの申し出がなくても警察の職権で加害者に禁止命令を出したりするなどの運用改善策を示すことにしていて、それを踏まえたストーカー規制法の効果的な運用を求めました。
このほか、ストーカー行為のエスカレートを防ぐため、警察庁は加害者をカウンセリングにつなげる取り組みを進めていますが、楠長官は「医療機関との関係構築を図るなど関係機関との連携体制の充実・強化に向けた取り組みを一層推進してほしい」と呼びかけました。
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