4年前のあの日から一変した日常
安藤伸一郎さん(47)は4年前、出勤途中に、札幌市東区の路上でクマに襲われました。
安藤伸一郎さん
「車にひかれたのかな…というぐらいの衝撃でしたね」
2021年6月、札幌市東区の住宅街で住民4人が出没したクマに襲われました。そのうちの1人、安藤さんは背後から襲われ重傷を負いました。
安藤伸一郎さん
「最初の一撃で肋骨が6本折れたのと、あと右の肺に『肺気胸』と言って、穴が開いたのと。あと背中を引っかかれたので、背中だけで80針縫うぐらいの傷を負った。またどこかから何か出てくるんじゃないかという恐怖心があるので、夜になると後ろから何か来るんじゃないかっていうのは今もずっと思っている」
安藤さんは、病院の集中治療室に10日間入り、入院とリハビリは半年に及びましたが、4年経った今でも、傷は完治していません。以前と同じように働くことはできず、あの日を境に人生が一変しました。
安藤伸一郎さん
「脇は、しゃべってるときも痛い状態。何もしなくても痛い。これ以上よくならないけど、ちょっと力を入れたら痛い状態。重いものを持つとかしんどい。寝てても痛みで目が覚める状態。膝はサポーターをしてないと、痛くて遠くへ歩けない。クマがのっかったときに、ここに爪が入って中でも炎症が起きている。その炎症が治らないと医者に言われていて…」
仕事も以前のように働けなくなり、収入が減ったままの暮らし。さらに治療にかかる費用が生活を圧迫していますが、公的な支援はほとんどなく、将来への不安を募らせます。
「クマに対してを獣害ではなく災害というふうに考えてもらわないと厳しいと思う。これは一生モノで、あとはもう痛みと付き合っていくしかないね」

あの日以来、外出する際の恐怖心はぬぐえないという安藤さん。傷の痛みに耐えながら見る日常の風景は、4年たった今も暗くかすんだままです。
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