高齢化が進み、医療の担い手が不足している山口市徳地地域に、地域唯一となる診療所が開業しました。これまでより患者数も増え、地域に根ざした医療の提供が期待されています。

山口市徳地診療所は、老朽化した徳地支所と地域交流センターの建て替えに合わせて同じ施設内に市が整備しました。これまでは地域医療振興協会が地区唯一の診療所・とくぢ診療所を運営していました。11月14日から市が施設などを提供し、地域医療振興協会が指定管理で運営をしています。

診療所の近くにはバスターミナルがあり、駐車場も整備されました。外来の患者数は、とくぢ診療所では1日平均37人でしたが、現在はおよそ50人に増えています。


地域住民
「近いからいいですね」
「非常に便利になりましたよね。バス停も近いし、駐車場もしっかりありますからね、すごい助かってます」

診療所所長の中嶋裕医師が、内科を中心に外科や小児科も担当します。

山口市徳地診療所 中嶋裕所長
「診療所が支所の中に入ったので、保健センターとすごく近いので連携がすごく進んだのかなと思います」

市は医療や介護、生活支援などが一体的に提供できる態勢「地域包括ケアシステム」の充実を掲げています。市の保健センターが同じ施設にあり、互いに情報を共有しながら連携を図っています。

中嶋所長
「本当は受診しないといけない方、もしくは本当は受診したい方が受診ができない状態になっている」

徳地地域には、近くに医療機関がない、無医地区があります。診療所ではこの地区にも医療が提供できるよう、来年4月から看護師が無医地区の近くの集会所などに訪問し、医師がオンラインで診察するオンライン診療を計画しています。

中嶋所長
「地域の方が受診しやすい、診療所になっていければと思っています。ご高齢の方が多いので介護保険の連携とかがより進めばいいかなと思いますけど、人の予防接種だったりとか健診も取り組んでいけたらいいかなと思っています」

高齢化が進み医療の担い手が不足する徳地地域に完成した新しい診療所。地域に根ざし、充実した医療の提供が期待されています。