退職を希望する人に代わって会社に意思を伝える退職代行サービス「モームリ」の運営会社が、代行の仕事を違法に弁護士にあっせんし、紹介料を受け取った疑いが強まったとして、警視庁は関係先の一斉捜索を行っています。

記者
「午前9時すぎです。いま警視庁の捜査員が家宅捜索に入りました」

警視庁はけさから弁護士法違反の疑いで、退職代行サービス「モームリ」を運営する東京・品川区の「アルバトロス」本社や都内の法律事務所などに捜査員およそ100人態勢で家宅捜索を行っています。

捜査関係者によりますと、「モームリ」の運営会社「アルバトロス」が退職の意思を伝える「退職代行」の仕事を違法に弁護士にあっせんし、紹介料を受け取った疑いなどがもたれているということです。

弁護士法では、弁護士資格を持たない人が報酬目的で法律事務の仕事をあっせんすることを禁止しています。

「モームリ」公式YouTubeより
モームリ:
『(ご依頼者様)から依頼を受けまして、退職希望の旨とそれに伴い今後、出勤ができない旨、こちらをご本人様に代わりお伝えさせていただきたくご連絡をしました』
先方:
『あ、そうですか、はい』

「モームリ」は2022年に創業者・谷本慎二社長が本人の代わりに退職の意思を会社に伝えるサービスを開始し、累計利用者数は4万人を超えているとしています。

専門家は“退職代行”について、内容によっては法律違反になると指摘します。

東京弁護士会 小町谷悠介 弁護士 
「残業代の問題とか、退職に伴う法的な問題が発生したときに、それを(弁護士資格のない)退職代行の業者さんがそういった話を突っ込んでしてしまうと非弁行為ということで、違法になる可能性がある」

捜査関係者によりますと、「モームリ」では「非弁行為」にあたる法律に関わる交渉が行われている実態を把握しているということで、警視庁は他にも違法性のある事業を行っていないかなど捜査する方針です。