『氷の天体』彗星はどこからやってくる?

ーそもそも「彗星」とは、どんな星のこと?

山陽学園大学 米田瑞生さん
「太陽系のすみっこでひっそり凍っていた『氷の天体』が何らかの原因で、太陽に接近するのが、彗星です」

「水や二酸化炭素、チリなどが凍った状態で存在しています。太陽に近づくと温められて、氷が溶け、ガスやチリを吹き出して尾(テール)を作ります。まるで『氷の玉手箱』ですね」

レモン彗星のふるさとは『太陽系の最果て』

ーレモン彗星(C/2025 A6)の特徴は?

山陽学園大学 米田瑞生さん
「レモン彗星は、およそ1400年以上かけて太陽の周りをまわる長旅の天体です。200年以上かけて公転する彗星は、長周期彗星に分類されます」

「こうした『長周期彗星』は、太陽系のはるか外側にあるオールトの雲【画像⑤】と呼ばれる領域からやってきます。オールトの雲は、まだ誰も直接見たことがない“宇宙の冷凍庫”。太陽系ができたとき(46億年前)の状態の天体を、『冷凍保存している』ため、多くの研究者が、彗星から太古の昔の太陽系を推測しようとしています」

【画像⑤】オールトの雲のイメージ