名古屋刑務所に服役していた71歳の男性受刑者が適切な医療が受けられずに死亡したとして遺族が国に賠償を求めた裁判で、東京地裁は、国におよそ30万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
男性受刑者(当時71)は暴行の罪で懲役10か月の判決を受けて名古屋刑務所に服役していましたが、2022年2月22日に心筋梗塞の疑いで病院に運ばれ、この年の3月1日に死亡しました。
男性受刑者の遺族側は「男性が病院に搬送された9日前から『胸が苦しい』と訴えていたにもかかわらず、直ちに検査が行われず、適切な治療を受けることができずに死亡した」と主張し、国に4000万円あまりの賠償を求める訴えを起こしています。
きょう(20日)の判決で東京地裁は、男性受刑者には必要に応じてバイタルサインの測定などが行われていたとして、刑務所の対応は「適切さを欠くものであったと認めることはできない」と判断しました。
一方で、刑務官たちが男性受刑者に「ばかたれ」「ぶっとばすぞ」と暴言を繰り返していたなどとして、国におよそ30万円の賠償を命じました。
遺族の代理人がきょう、都内で記者会見を開き、男性受刑者の弟のコメントを明らかにしました。
男性受刑者の弟は、「一般社会で『胸が痛い』と訴えたら救急車を呼ぶのが普通ではないか。刑務所の対応は、受刑者を人間扱いしておらず、判決には到底納得できない」とコメントしています。
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