金価格高騰は「歴史的大展開」の前触れ?
こうした不安定な国際情勢や通貨への不信感が広がる中、その動きは各国の中央銀行の「金の保有量」にも表れます。各国の中央銀行はここ数年、「金」の買い入れを増やす傾向にあり、保有量は過去最高レベルになりました。

日本はというと、現在、約845tで50年ほど前から横ばいの状態ですが、中国やロシアは大量の「金」を買い入れていて、中国の保有量は2000年まで400t弱だったのが、この25年程で約2200tまで増加。ロシアも、記録のある2000年は340tほどでしたが、こちらも約2300tまで増やしました。
背景には、欧米などから経済制裁を受けても凍結されにくい資産として「金」を重視する動きがあるとみられます。
さて、今回の金価格の急騰。アメリカのニューズウィークによれば、次のような指摘もあります。

「3世紀に起きたローマ帝国の滅亡や17世紀のスペイン帝国の衰退、そして18世紀のフランス革命など。これらは今回と同じレベルの急騰時に起きていた」
これはフランスの経済評論家、アルノー・ベルトラン氏による研究で、アルノー氏は金価格の急騰は「歴史的にまれで、大きな政治的転換の前触れとして起きることが多い」と指摘しています。
「近い将来、予想もできない大きな出来事が起きるのでは」と警鐘を鳴らしています。