静岡県内に甚大な被害をもたらした2022年9月の台風15号から2か月が経ちました。被害で特に目立ったのが家屋への浸水ですが、時間が経てば経つほど壁や床下の「見えない被害」が悪化する恐れがあるのをご存じでしょうか?いまだに続く浸水被害の実態です。
静岡県静岡市清水区の浸水被害を受けた住宅です。ボランティアが撤去しているのは、一見すると何の被害もなさそうな壁。
<ボランティア>
「この下まで突っ込んでいるので、ここはたぶん濡れてるんじゃないかなと。結局床下まで入っているので、もっとカビだらけ、カビがここまで上がっていることもある」
取り除きたかったのは、壁の中にある断熱材。浸水被害を受けたあとに泥水を吸収したまま放置しておくと、カビが繁殖し、家屋をむしばむのです。
<ボランティア>
「断熱材の黄色が黒くなっている」
9月に台風15号が県内を襲った際、この住宅は床上30cmまで浸水。畳が浮くほどの状態で、家財道具も一式、処分することになったそうです。そして、ボランティアの提案で壁の中の水分量をはかったところ…壁の内部に水を含んでいることが分かりました。
<被災した竹中佐和子さん>
「断熱材が入っていること自体、目にすることないので、きれいな壁だけだったから余計に何ともないと見えるけど、見ると断熱材が濡れて水が上がるとわかる」
清水区に住むボランティア・三上静佳さんは、数年前に福岡の実家が浸水した経験から、壁などの点検を呼びかけ続けています。
<点検を呼び掛ける三上静佳さん>
「8か月くらい経って実家に帰ったらすごいシミができていて、カビ。開けてみたら中が真っ黒。浸水したら壁までちゃんとやらないといけないんだなってすごく感じた。臭いもすごくて、でも、母はそこで生活しているので気づかないんですよ、住んでいる人は」
つくりによっては、乾燥しにくい住宅もあり、いまだに水が滴る現場も。床下の木材もカビの温床となりうるので、「見えない被害」の点検が必要です。
<点検を呼び掛ける三上静佳さん>
「壁を剥ぐとか、床を剥ぐって、大切な家なのでメスを入れるって勇気がいる。でも『大丈夫』っていう前に、点検だけでも一緒に考えさせてもらえたら」
静岡市清水区天王町公民館で11月、ボランティアや自治会が開いた被災者向けの相談会です。
<災害対応NPO「MFP」松山文紀さん>
「今から床全部はがして、生活できないじゃないかとなりますので、今から全部はがすというよりは、一部開けて確認する」
会場で呼びかけたのは「頼ってほしい」という思いです。水害被害からの生活再建に向けては、まず壁・床の撤去や泥の除去、次に扇風機などによる床下の乾燥(最低1カ月)。さらに消毒を行ったうえで、最後に床や壁の復旧と、長ければ1年以上かかることもあります。台風15号による県内の浸水家屋は約1万棟。高齢の被災者も多くいて、1人で修理するのは難しいのが現状です。
<相談の様子>
「畳をそのまま入れちゃったから、カビを見てね」
「ちょっと見ればね、それでボランティアさんに見てもらいましょうよ」
「よかったよ。自分でやれないことを頼めるからさ」
<災害対応NPO「MFP」松山文紀さん>
「もしカビの胞子が家中に出てしまうと、健康被害の可能性も出てくる。来年になるとそれぞれの県外からの団体も帰ってしまうので、できるだけ早いタイミングで確認させていただければ」
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