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南風原町にある「吉クリニック」。たくさんのベッドが並ぶフロアには、血液透析の機械が動く音が静かに響く。腎臓病の患者たちが透析を受けるこの場所で、仲里さんは臨床工学技士として働いている。
「透析も移植もして元気になって、社会復帰している。患者さんの心を大切にして、常に患者さんと寄り添いたいし、現場で働きたい」
「(現場にいることが)使命と思ってます。糖尿病もあったりとかで、食事・医療を含めて、患者さんのことを思うとつい強めに言うこともあるけど、患者さんは1日おきに来ますし、家族以上のお付き合いにもなる。(患者とは)常に仲良く」
このクリニックにとって、腎臓病のつらさをよく知る仲里さんの存在は大きい。透析看護師長の伊波裕子さんはこう語る。
「知識だけで答えるよりも倍、患者さんを納得させる。いてくれて、安心する」

周囲が信頼を寄せる仲里さんは、また違う意味での尊敬も集める。元々の高い運動能力を生かし、あるスポーツ大会で金メダルを手にしたアスリートでもあるからだ。