「使命感みたいなものを感じて」医療の道へ
透析も移植も経験したからこそ、同じ苦しみを抱える人々に寄り添いたい。そんな思いが仲里さんの中に芽生えたのだ。教員になるために県外の大学に出してくれた両親には、何度も進路変更を相談した。両親は、すべてを受け止めてくれた。
「透析までやって苦労もして、また父親から移植してもらって元気になったんで、医療(の道に)行く、そういう使命感みたいなものを感じて、葛藤と戦いながら…」

「あなたの人生、あなたが好きなように選びなさい、って。本当に優しい言葉で両親に言われたのをいまだに覚えてます」
腎臓移植の3か月後、仲里さんは病院に助手として就職した。
体育教員を目指した仲里さんに、医療関係の資格は何もなく、大卒者とはいえ、生活を安定させるだけの給与は得られなかった。
将来は所帯を持ちたい。家族にひもじい思いはさせられないと、働きながら学び直す日々が始まった。看護師の資格を取り、臨床工学技士の資格も取った。医療機器を扱う会社を立ち上げるなど、様々な経験を積んできた。