森友学園をめぐる決裁文書の改ざんについて、自殺した元職員の遺族が「佐川氏ら財務省幹部の指示」に絞って文書を開示するよう財務省に申し入れました。

 近畿財務局職員だった赤木俊夫さんは、森友学園への国有地売却に関する決裁文書の改ざんを命じられたことを苦に、2018年に自殺しました。

 赤木さんの妻・雅子さんは、財務省側が検察に任意で提出したとされる文書の開示を求め提訴。
 大阪高裁が国に文書の開示を命じ、17万ページあまりあるとされるうち、これまで4回にわたって5万4000ページが開示されました。

 財務省は理財局長だった佐川宣寿氏が改ざんを主導したとしていますが、これまでの文書では佐川氏がどのように指示したかは判然としていません。

 雅子さんらはきょう財務省に対し、「佐川氏ら財務省の幹部らを中心に絞って文書を開示してほしい」と申し入れを行ったということです。具体的には、

1)開示対象の電子データのファイル名などの概要を記載した一覧表
2)佐川理財局長ら改ざんに関与した財務省幹部や財務省理財局職員のメールのデータと手控え
3)近畿財務局で公文書改ざんにかかわった幹部や職員のメールのデータや手控え

の3つを開示するよう、強く申し入れたとしています。

(赤木雅子さん)
「4回目の開示でメールのデータ出てきて、何点か夫の苦しんでいる姿などがありましたが、誰に責任があるのかが出てきていない。夫のまわりではなく、(改ざんを)発案した人の指示が知りたい」
「夫は『情報開示や会計検査院の検査でも嘘をつかされていた』『当時、調査報告書を担当した財務省の幹部は会計検査院で嘘をつかされたことを知らなかった』と言いました。私は再調査は必要だと思いますし、再調査をぜひしてほしい」