特定の広告を規制するのは難しい

ただ、条例で何をどう規制するかが今後の検討課題になっています。

広告の内容については、憲法で「表現の自由」が保障されています。

宣伝の音については、福岡県騒音防止条例で「音量の基準」が定められています。

市の条例でどこまで踏み込めるのでしょうか。

徳原聖雨弁護士は、「表現の自由は重要な権利のひとつ」であり、「特定の広告の内容を規制するのは難しい」とした上で、「音の大きさや光の明るさ、トラックを走らせる場所、時間などどういったところまで条件をつけるかが、これからの検討課題」としています。

東京都は規制を強化

市の担当者によると、騒音については、県警と連携して何らかの対策を講じたいということです。

また、東京都は2024年、アドトラックに対する規制を条例で強化しました。

都内を走る上で許可が必要として、映像を映し出すものについては”運転者の注意力を著しく低下させるおそれのある広告物”を使用禁止としました。

こうした先行事例も参考にして、条例の内容を決めていきたいということです。

一方で、アドトラックは高い視認性、ターゲットエリアを自在に移動できることなど広告を打つ上でメリットがあり、需要が増える見込みです。

子供たちへの教育、外国人観光客からの見え方など街の景観としていいもの、悪いものの線引きも考えて条例の内容を決めることが求められます。