水俣病について患者から学ぶ授業が、鹿児島県出水市の小学校で開かれました。
水俣病の出前授業は県が初めて開いたもので、16日は出水市の米ノ津小学校を、出水市出身の長井勇さん(68)と水俣市出身の松永幸一郎さん(62)が訪れました。
2人は母親がメチル水銀に汚染された魚を食べたため、生まれながらにして症状のある胎児性水俣病の認定患者です。水俣病が原因で歩けなくなったことや、みんなと同じように学校に通えなかった経験などを5年生およそ30人に伝えました。
Q.小学校に行くんだと思ったとき長井さんは?
(長井勇さん)「行けなかった」
Q.なんで行けなかったんでしょう?
(長井勇さん)「歩けなかった(歩くことが出来なかった)」
(児童)「みんなが当たり前だと思っていることが、水俣病の人からすると難しいことなので、みんなで楽しく過ごせることが幸せだと思った」
(児童)「ずっと苦しい思いをしていて悲しそうだと思った」
(児童)「水俣病で差別されなくなるといいなと思う」
(松永幸一郎さん)「まだまだ水俣病は終わっていないし、苦しんでいる人がたくさんいる。子どもたちにも伝えていきたい」