ハンターの人材不足深刻

危害を加えるクマの出没に備え、国も動きました。

クマが市街地に現れた時に一定の条件を満たせば、自治体の判断で猟銃が使用できるように法律を改正したのです。

ただ、課題もあります。ハンターの人材不足です。

全国の狩猟免許所持者は1975年度には約52万人いましたが、2020年度には22万人ほどに減少。中でも、60歳以上が6割近くを占めていて高齢化も深刻です。

かつて、北海道で牛を次々と襲った凶暴なヒグマ「OSO18」の捕獲作戦を指揮していた藤本さん。ハンターの高齢化を日々、実感しています。

南知床・ヒグマ情報センター 藤本靖 主任研究員
「今年の春も、うちの町の高齢のハンターと一緒に行動してたんですけど、耳が聞こえなくなってくるとか、ハンターの一番大切な部分が弱くなってしまう。藪の中でごそごそ動くクマは音でしか判断できない。『がさがさがさ』って。それが聞こえなくなると“クマ撃ち”できない」

北海道では現在、ハンターの育成などを目的とした「春期管理捕獲」が行われていますが、ことし実施したのは47市町村のみ。道内に179ある市町村のうち3割ほどに留まりました。

南知床・ヒグマ情報センター 藤本靖 主任研究員
「春期捕獲の先生役になれるハンターが激減してる。やれるところがない。教えられる人がいないという裏の限界もある」