食事・睡眠・排泄の環境整備を

公衆衛生の専門家は、災害関連死を減らすためには人間が生きるうえでの基本である「食事」「睡眠」「排泄」の環境を整えることが大切と話します。

東北大学災害科学国際研究所 栗山進一所長:
「人間が最低限どんな状況でもやるものへの意識を高める。最低限の『食べる』『寝る』『出す』ということを確保しないと。例えば循環器疾患では水分摂取を控えてしまうと非常に危険。血液が固まってドロドロになる」

ただ、指定避難所となるのは学校の体育館や公民館などがほとんどで、衛生面の備えには限りがあります。

成仁杜の里仙台 皆川広美施設長:
「普段は地域交流スペースと言って地域の方と交流をしたりイベントをする場所になります」

仙台市若林区の特別養護老人ホーム「成仁杜の里仙台」です。この施設は、仙台市の「福祉避難所」になっています。一般の避難所とは別に、高齢者や持病がある人など支援が必要な避難者を受け入れる避難所です。

成仁杜の里仙台 皆川広美施設長:
「福祉避難所が開設した時には段ボールベッドと仕切りをつくってプライバシーを守るような環境で過ごしてもらえるよう準備している」

福祉避難所の多くは、社会福祉施設などに開設されるので、衛生用品や福祉器具が充実し専門知識のある職員もいるため健康に不安のある人でもリスクを抑えながら過ごすことができます。トイレも清潔に保たれ、車いすの人でも利用できる十分な広さがあります。

成仁杜の里仙台 皆川広美施設長:
(Qやはりトイレは大事?)「大事です。そこから感染症が広がる可能性もある。(施設は)常に清潔に掃除や消毒もしているし、空気清浄機なども用意して感染をしないような環境づくりはしている」

災害への意識が高い施設長の皆川さんですが、その根底にあるのは東日本大震災の経験です。