いざという時のために「クマよけスプレー」や「催涙スプレー」を用意する人もいますが、幸運にも使う機会がなく、使用期限を迎えた場合、どのように捨てたらよいのでしょうか。

生物の生態や駆除などに詳しい東洋産業の大野竜徳さんに聞きました。

どうやって捨てる?

ー「クマよけ」など刺激性が高いスプレーは、どのように捨てたらよいのでしょうか。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「スプレー缶(エアゾール缶)の処理方法は共通ですが、クマ撃退や催涙のようなものは刺激性が非常に強いため、誤った廃棄が重大事故につながります。安易に室内で穴を開けるのは絶対に避けてください」

<絶対に気を付けてほしいこと>
屋内で処分するのはダメ(換気扇があっても不可)
火気厳禁(タバコ、ガスコンロ、点火装置があるところは不可)
ゴーグル、マスク、カッパ、特にゴム手袋の着用は必須
液体を絶対に浴びない、作業の後はしっかり自分も手洗いをする

<手順(推奨)>

①周囲に人がいない屋外で実施を検討
(可能なら半径50m以上、特に風下側に人がいないのは絶対に確認し、安全を確保)

さらに事前に土を掘って薬剤を埋めても大丈夫な処分用の穴をつくれる場所を確保。

②風上に立つ(できれば自分の背後から扇風機などで送風するのがよいです)

③ゴーグル、マスク、カッパ腕を覆う厚手ゴム手袋を着用
(バケツに手を突っ込んでも水が入らないように)

④バケツに水を張る。

⑤缶を沈め、水中で全量を噴射。

⑥バケツに噴射したあとで、水は処分用の穴へ流し込む。

⑦全量噴射した缶を取り出し、逆さに固定して底部近くの側面に専用器具(ガス抜き器)で穴を開ける。【画像①】

⑧そのままキープし、音が止まったら、残液を開けた穴に流し込み、処分用の穴に排出して穴はしっかり埋める。

⑨缶を袋に密閉して廃棄。

⑩カッパや手袋、マスク、ゴーグルは捨てるか、よく洗って乾燥させて再利用。

【画像①】