ガタガタガタ…機体が揺れるのは“目”に近づいている証拠
観測開始から15分ほどで、急にガタガタと機体が揺れはじめました。
これは、台風の目に近づいている証拠です。
目の周りには、「アイウォール(目の壁雲)」という最も厚い危険な雨雲があります。その雲の中は激しい上昇気流があるため、機体が揺れるのです。
窓からの眺めは雲で真っ白になっていました。

そして、数分で機体が静かになり、急に外が明るくなりました。
これが台風の目に突入した証拠。

機体はほとんど揺れず、穏やかです。
窓から見上げると、空は青空が広がっていました。
遠くの方まで視界が開け、その先には、今通過したばかりの「アイウォール」が、まさしく壁のように立ちはだかっていました。

そして、下には、見たこともない景色が…。雲がらせん状に渦を巻いていました。
雲の高さは約1キロほど。気象予報士になって19年。いろんな雲を見ましたが、その渦を巻く雲は、自然がおりなす、なんとも言えない景色です。