「台風」はどのように予測している?

台風の気圧や風速などは、現在、アメリカの気象学者「ドボラック」が開発したドボラック法という、衛星の画像で雲の形や構造を分析する手法を使っています。つまり「推定」された値です。
台風の予測は、この「推定値」を当てはめるため、予測にブレが大きくなります。
コンピュータの発達などでは、「進路の予測」に関しては、中心位置のずれが小さくなり、改善されていますが、「強度の予測」精度はほぼ横ばいで、強さの予測はあまり改善されていません。

そのため、正確な気圧や湿度などのデータがあれば、より精度の高い予測に役立てられると研究を進めているのが、名古屋大学・横浜国立大学の坪木和久教授らのグループです。

坪木教授は、2017年から台風の目に向かって航空機を飛ばし、台風の”直接観測”を行っています。(※1回のフライトで数千万円ともいわれるこの観測は、経費が膨大に掛かることなどから、現段階では毎回行うものではありません)
そもそも台風が列島に近づいた時は、航空機は欠航することが多い中で、飛ぶことはおろか、目に突っ込んでいくなんてことは危険ではないのか?と疑問に思うかもしれません。坪木教授によると「上空の風は、地表付近ほど縦横無尽に風が吹いているわけではない」とのこと。実際に現在もアメリカや台湾などでは、台風の観測は行っているようです。
坪木教授らは、台風22号が発達し、日本に大きな影響が出るおそれがあるため、この台風を直接観測することに決定。今回、このフライトに特別に搭乗させていただいた、わたくしCBCテレビの気象予報士・桜沢信司が、その舞台裏をお伝えします。
