俳優としての喜びと探究心

演劇に携わる上で何が一番楽しいかという問いに対して、梅津さんは「自分がつくったものが誰かの目に届くという奇跡」と答えています。かつては望んでもそれが叶わなかった経験から、今、自分の表現が観客に届くという現状に大きな喜びを感じているそうです。

また、共演者である鈴木拡樹さん、安井謙太郎さんとの関係性についても言及し、共に舞台という場で「チューニング」をしながら作品を作り上げていくプロセスに、探求の楽しさを見出していると話します。

金沢の魅力、その再発見

ガイドブック撮影で金沢を訪れた際、梅津さんはその地の風景に深く感動したそうです。特に印象的だったのは「金沢市民芸術村」。広大な敷地、高い天井、そして多くの舞台人の痕跡が刻まれた床は、俳優としての想像力をかきたてる魅力的な空間でした。

さらに、雪が降る冬の金沢の海辺は、寂寥感と美しさが同居する独特な景色だったと語ります。梅津さんはその景色を前に、「都会の喧騒から離れ、変化がなくてもいいのだと思わせてくれる街並み」と、金沢の持つ特別な癒しの力を表現しました。

提供:いしかわ舞台芸術祭2025

演劇文化を地方へ

「いしかわ舞台芸術祭2025」は、演劇を愛する人々の情熱が一体となって作り上げられています。梅津さんはアンバサダーとして、この芸術祭が「実の伴うもの」となるよう、演劇のクオリティを追求し、この地での経験を未来につなげていきたいと力強く語りました。

「いしかわ舞台芸術祭」は、東京に集中しがちな演劇文化を地方へと広め、新たな観客との出会いを生み出す機会となっています。今年の秋は石川県で舞台に触れるきっかけにしてはいかがでしょうか。