妻と二人三脚で研究 免疫に着目した理由は
当初研究には、皮膚科医である妻の教子さんとともに取り組んだといいます。
恵俊彰:
奥様はどのようにお話されていましたか?
坂口志文特任教授:
受賞の電話をいただいたときにそばにおりましたので、電話の内容から何が起きたかということをわかってくれたようです。喜んでくれたと思います。
恵俊彰:
やっぱり奥様のお力があったからこその受賞ということですよね。
坂口志文特任教授:
はい。そのように言うべきだと思っております(笑)
恵俊彰:
医者を目指したきっかけは何だったんですか?
坂口志文特任教授:
私の親戚、母も含めて医者の家から来ておりましたので、いとこなども医者が多く、ゆくゆくは地域医療にでも貢献できたらと思っておりました。
恵俊彰:
免疫に着目したきっかけはあったんですか?
坂口志文特任教授:
免疫って私たちの体を守るんですけれども、その同じものが自分を攻撃する。
やっぱりそれって不思議なことだったんですね。
例えばケガをして出血してそこで血が固まる。しかし、同じ血が固まるということが血管の中で起きたら脳卒中になるわけです。そういう二面性のある現象は医学にたくさんありまして、その後ろにある何か重要な原理が知りたかったということです。
恵俊彰:
基礎研究は本当に時間もお金もかかると思います。諸外国と比べて、日本の環境についてどのように感じていますか?
坂口志文特任教授:
日本は資源もそんなにないですから、研究に力を入れるのは重要なことだと思います。
財政的な支援も必要ですし、研究している人たちのポジション、大学などの組織の面での支援も日本の科学にとって重要かと思います。
弁護士 八代英輝:
多くの若い方が先生の受賞を受けて自分も頑張ろうと励まされたと思います。メッセージをお願いします。
坂口志文特任教授:
何かをやろうとするときに、何事もちゃんとやれば時間がかかります。
最近のご時勢のように、何かやればすぐ結果が出るものを目指すのもいいんですけれども、自分の興味をしっかり持続させて、それを続けていくうちにいろんなことに巡り合って人生が豊かになる。
そういうことになるのがよろしいかと思います。そういう意味で、若い人には頑張ってほしいと思っております。
(ひるおび 2025年10月7日放送より)
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<プロフィール>
坂口志文氏
ノーベル生理学・医学賞「制御性T細胞」を発見
大阪大学特任教授