「あえて前半出せるところを95%、90%に落とす」作戦
「1,2,3,4,5」
今年5月からはジャンプ力の強化に取り組みました。

(研究室の先輩)
「2.94」
(木梨選手)
「おお~結構いいですね。めっちゃ上がった」
(木梨嘉紀選手)
「自分の苦手な中盤から後半の失速を抑えるために、短い接地時間でどれだけ大きな力を発揮できるかが重要なので」

そして迎えた、日本インカレ。慣れ親しんだ岡山での凱旋レースです。ここでも、後半の失速を抑えるため、新たな作戦を考えていました。
(木梨嘉紀選手)
「手を抜くと言ったら語弊があるんですけど、あえて前半出せるところを出さずに、95%、90%に落とす」
持ち味である前半の加速をあえて抑え、100メートル全体でスピードを維持する作戦です。これが、見事にはまり、初優勝を掴んだのです。そして7月の日本選手権。実業団選手を含むトップ選手が集う中、予選で自己ベストの10秒20を叩き出し初の決勝進出。
(場内放送)
「木梨嘉紀!」
(木梨嘉紀選手)
「今まで自分が見てきた日本のトップ選手と日本一を争う…本当に言葉で言い表せれない緊張感と高揚感」
中盤、五輪3大会連続出場の桐生選手に迫るも緊張から思うように走れず、嬉しさと悔しさの入り混じる8位入賞でした。
(木梨嘉紀選手)
「自分は天才と称されるタイプではない。努力を積み重ねてきた」
飽くなき探求心で、見据えるのは世界です。
(木梨嘉紀選手)
「五輪は出たいですけど、大口を叩く自分は好きじゃないので、まずは10秒1とか10秒0台をクリアして…五輪に出たいと大きな声で言いたい」
