存続の危機にあった大阪の性暴力救援センターが活動拠点を移し、「ウィズユーおおさか」の通称で運用を始めることが明らかになりました。10月20日から、大阪市住吉区の「こころの健康総合支援センター」を拠点に始動するということです。

 大阪ではこれまで、NPO法人「大阪SACHICO(サチコ)」が運営する性暴力救援センターが性暴力の被害にあった人を包括的にケアする役割を担ってきました。

松 原市の阪南中央病院に設置されたSACHICOの支援センターは、24時間体制で性暴力の被害相談に応じ、病院内にあるため緊急避妊薬の処方や性感染症の検査なども一貫して行うことができる府内唯一の「ワンストップ」の施設でした。

 これまでに少なくとも1万4000人以上が来所しましたが、性暴力の被害の診察には時間がかかる上、2024年に医師の働き方改革が始まったこともあり、今年3月までに病院から退去を求められました。

 こうして存続の危機に直面したワンストップ支援センターを残すため、元利用者らは府に対し、補助金の拡充や移転先の確保などを要望。特に、病院への移転を強く訴えていました。

 なかなか移転先が決まらなかったSACHICOのセンターでしたが、タイムリミット目前の2月、大阪市住吉区にある府の施設『こころの健康総合センター』に入ることが決定。病院の中の施設ではないものの、府が直接費用を負担する委託事業となり、今年4月から移転が進められてきました。

 施設の内装工事に時間がかかったということですが、府の事業となってから半年が経った10月2日、新たな支援センターの開設が発表されました。

 『こころの健康総合センター』内の性暴力救済ワンストップ支援センターは、10月20日に運用を開始するということです。
また、センターの通称が「ウィズユーおおさか」となることも合わせて発表されました。

 病院ではないため医療的な支援は医療機関の紹介や同行が中心になるということですが、ウィズユーおおさかでは24時間365日無料で性暴力医被害の相談を受け付け、心理的な支援や法的な支援もワンストップで行うということです。

 大阪府の吉村洋文知事は「望まない性的な行為は全て性暴力です。性犯罪、性暴力というのは根絶していかなければなりません。ウィズユーおおさかで支援をしてまいりますので、男女問わず被害に遭われた方はこちらに相談をいただければと思います」とコメントしています。