(上田篤さん)「ことしの花が18年のなかで一番きれい。見たいけど体力が…」

18年前、藪のように草木が生い茂っていた農道脇を整備しはじめ、1人で育ててきました。しかし、現在94歳。地元の住民も上田さんの体調を気づかっています。

(地元住民)「一緒に草刈りや管理をどうですか?と上田さんに相談したが、本人が『自分は元気』ということで譲れないところがあるかな」

多くの人にスムーズに鑑賞してもらうため、自治会が看板などの設置は手伝いましたが、ヒガンバナの世話は、上田さん一人です。

きっかけは18年前、妻のサキ子さんががんで亡くなったことでした。

(上田篤さん)「人生のはかなさを知った。本当に元気だった死ぬまで、人を笑わせて。好きだったの花が、その一念で」

サキ子さんが好きだったヒガンバナの世話を、暑い日も寒い日も続けてきました。

(上田篤さん)「それが生きがいでやってきた。目的があるから長生きしたんでしょう。(妻は)びっくりすると思う。花好きだったから。喜んでいると思う」

上田さんのサキ子さんへの思いは、今年もきっと届いています。

大口大田のヒガンバナは伊佐市の郡山八幡神社のすぐ近くで、今週末までは楽しめそうということです。

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