「親も被害者なんだ」
裁判所がようやく間違いを認めたことは、藤枝さんの「心の鍵」を開くきっかけになりました。
藤枝さん「法律によって不妊手術がなされたことだと分かったから、親も許せたし、被害者なのだと思っているんです。お医者さんやお母さんも、旧優生保護法がなかったら、そういうことは起こらなかったから」
裁判では心の準備ができず「被害者」ではなく「支援者」として傍聴することしかできませんでした。

しかし、こうした経緯に加えて、家族の後押しも受けて、旧優生保護法の課題解決を考えるフォーラムで「被害者」として体験を話すことを決めました。
藤枝さん「私たちは旧優生保護法で『いらない存在』とされてきたけれど、いらなくないんです。私たちは弱くはない。みんなが集まれば強いんだぞ、と言いたい」