佐賀県警でおよそ7年半にわたり不正なDNA型鑑定が繰り返されていた問題を受け、警察庁は今月8日から県警に特別監察を行うことを明らかにしました。

この問題は、佐賀県警の科学捜査研究所の元男性職員が、およそ7年半にわたりDNA型鑑定の結果をねつ造していたなどとして、先月、書類送検されたものです。

警察庁・楠芳伸長官
「DNA型鑑定に対する国民の信頼を損なうものであり、警察庁として重く受け止めております」

楠芳伸長官はきょう(2日)、定例会見でこのように述べたうえで、不正が行われた原因究明と再発防止策を取りまとめるため、来週8日の水曜日から佐賀県警に対して特別監察を実施すると明らかにしました。

警察庁の首席監察官や警察庁の附属機関である科学警察研究所のDNA型鑑定の専門家らを県警に派遣するということです。

今後、佐賀県警に対する特別監察の結果も踏まえ、ほかの都道府県警の科捜研についても順次監察を実施する方針だということです。

この特別監察は定期的に行う監察とは異なり、警察の信頼を揺るがす重大な不祥事があった場合に実施されるもので、記録が残る2011年以降ではこれで5件目となります。