“番記者”が採点 林氏の強みと弱みは?
井上キャスター:
イメージを含めてプラスの方向に動いているのではないかといわれているなかで、林氏の強みと弱みを、堀記者は次のように表現しています。

【林氏の強みと弱み】
党内基盤:△
野党連携:◎
経験:◎
世代交代:△

TBS報道局政治部 堀 記者:
党内基盤がないのかといわれると、そうではありません。
林氏がもともと所属していた旧宏池会、旧岸田派と呼ばれる派閥では林氏を支援する議員はかなり多く、一定程度の地盤は固めています。それで総裁選にも、20人の推薦人を楽々集めて出馬しているわけです。
ただ、林氏の経歴は参議院在職期間が長いです。1995年の当選以来ずっと参議院で、2021年に衆議院に鞍替えしました。しかし、“自民党の四役”と呼ばれる幹事長や政調会長などの重要ポストには就いた経験がありません。
そこが今後どういった影響が出るのかという意味で、党内基盤には「△」をつけました。
井上キャスター:
大臣経験はだいぶ豊富な一方、党の要職にはあまり就いていないので、そのあたりがどう出るのかということですね。
そして林氏は今、一気に注目度が上がっています。国会議員票の動向をみてみましょう。

【国会議員票(295人)の動向】(JNN独自調査、9月26日時点)
小泉氏:約80人
林氏:約50人
高市氏:約50人
小林氏:30人前後
茂木氏:30人前後
林氏は約50人という調査結果でしたが、支持をさらに増やすのではないかといわれています。
TBS報道局政治部 堀 記者:
JNNの独自調査でも、先週から着々と議員票を伸ばしてきています。
ある陣営幹部は「80人を目指すんだ」と言っており、もしかしたら、知らないところでもっと支持を広げている可能性があるのではないかと思います。
井上キャスター:
そうすると、小泉氏に並んでくる可能性がなくはないということですが、その要因についてはどうでしょうか。

TBS報道局政治部 堀 記者:
まず外的要因というか、総裁選のあとにトランプ大統領の訪日が調整されています。林氏なら経験豊富で英語も喋ることができ、政策を理解していて安心感、安定感があるので任せたいということです。
あとはライバル候補の状況が不安定というのもあり、林氏が伸びているのではないかと思われます。
井上キャスター:
確かに、腰を据えて政策を進めるためには林氏がいいのではないか。決選投票にさえ残ることができれば、一気に議員票が林氏に動くのではないかといわれています。
林氏なら安定感があり、間違いや欠点がなさそうだと感じる議員心理もわからなくはないです。
ミッツ・マングローブさん:
例えば世代交代というところだけにフォーカスし、そこの優先順位を一番にするのであれば、若い方もいらっしゃいます。
でも、早急に対応しなければいけない問題というのは、国内外に今もあるわけです。そういうところでどのくらい俊敏に動けるのか、政策をすぐに理解して行動に移せるのかというところをしっかり考えたうえで、議員の皆さんには投票していただきたいというのが一国民としての願いです。
井上キャスター:
番記者として、あえて林氏の欠点を挙げるなら、どういうことがいえるのでしょうか。
TBS報道局政治部 堀 記者:
林氏は政策をかなり幅広く理解しているので、討論会などでも喋りたいことが多いのだと思います。
まんべんなく話している分、林氏が強く打ち出したい政策は結局何なのか、“色”としてあまり出ていないというのは記者として感じるところではあります。
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<プロフィール>
堀宏太朗
TBS報道局政治部
総理官邸担当 林官房長官の番記者
ミッツ・マングローブさん
タレント・歌手
慶應義塾大学法学部卒業 イギリス留学の経験も
ドラァグクイーンとしてデビュー後はタレントや歌手など多彩な活動を行う