国際結婚でカナダに移住し現地の国籍を取得した大学教授の女性が、自ら外国籍を取得すると日本国籍を失うのは違憲だとして国を訴えた裁判で、大阪地裁は訴えを退けました。

 京都先端科学大学の清水裕子教授(60)は、2008年にカナダ人と国際結婚し、カナダ国籍を取得して移住しました。

 日本の国籍法では、自ら外国籍を取得した場合は日本国籍を失うと規定されていて、清水教授は、親の介護のため帰国した際、一時不法滞在の状態となりました。

 清水教授はこの規定が「何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない」とした憲法22条第2項や憲法11条の基本的人権の保障、憲法13条の幸福追求権などとして憲法に違反するとして、大阪地裁に提訴していました。

 大阪地裁は判決で「合理的な根拠があり、憲法に違反しない」として訴えを退けました。

(京都先端科学大学・清水裕子教授)「裁判所の理屈と世間一般の常識としての『合理的』というもののギャップを大きく感じました」