「莫大な人件費になる」最低賃金引き上げ
徹底した効率化で人件費の負担増を乗り越えようとするスーパーもあります。
この日、開店前から30人以上が列をなした客のお目当ては…豆腐一丁42円、スパゲティ一袋85円、パックご飯6個入り430円の特売品です。

客
「すごく助かります。子ども2人いて男の子なのですごく食べるんですけど、例えばヨーグルトはほかだと150円するが、(ここは)120円ぐらいで安い」
人件費が高騰するなか、なぜ低価格を実現できるのか。その秘密は陳列棚にありました。

マミープラス武蔵浦和店 東本聖也さん
「こちらの牛乳コーナーは、商品がなくなったあとはこうやってひっくり返すだけで新しく商品が補充された状態になる」
ヨーグルトも、納豆も、ケースごと。カップ麺はカートの中へ豪快に流し込んでいきます。
こうした品出し作業の“時短”を図ることで、店で働くスタッフの数を通常の半分程度に削減。それでも、63円アップする最低賃金の負担は悩みの種です。

マミープラス武蔵浦和店 東本聖也さん
「一人あたり63円って少ないように見えるんですけど、1時間で何人もいて毎日何時間っていう形になるとやはり莫大な人件費になる」
政府は今後5年で、最低賃金1500円を目指しています。
ただ、安い労働力に頼る小売業の一部は、今後赤字に陥る可能性があると専門家は指摘します。

UBS証券シニアアナリスト 風早隆弘氏
「スーパー、コンビニ、レストランはより最低賃金帯の労働者を雇用しているため、(賃金アップの)影響が相対的に大きくなる。従来の枠組みに頼っていると、どうしても立ち行かなくなる。より積極的な省人化・省力化投資が求められている」
物価高が続く中、 賃上げは急務ですが、その実現には多くの壁がありそうです。