岡山県瀬戸内市邑久町にある国のハンセン病療養所「長島愛生園」につくられた懲罰施設「監房」は、元患者への人権侵害の象徴です。現在埋め立てられていますが、その一部が掘り起こされることが、RSKの取材でわかりました。

かつてのハンセン病の患者に対する差別と人権侵害の歴史を今に伝える「監房」です。1930年の開園と同時につくられ、逃走しようとした人や、風紀を乱したとされる人などが当時の園長の権限で収監されました。その存在が問題視され、1953年に廃止に。いまは埋め立てられ、西側の外壁しか見ることができません。

(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)
「(隔離政策の象徴のような施設?)そうそう。普通、病院をつくって、あんな監房みたいな頑丈なものがいるかどうか。まったく、監獄のような形で作ってあるもの」

自治会によりますと、埋め立てた監房の上を通る道路と、のり面の補修のため工事を行うもので、監房の一部も掘り起こされます。8つあった独房のうち2つが露わになり、見学者用の通路も整備される予定です。10月6日に工事が始まり来年中に完了するということです。

(長島愛生園入所者自治会 中尾伸治会長)
「とにかく楽しみにしている。(掘り起こして何か)出ればいいがなと」

監房の中には落書きがあったことが写真でわかっています。理不尽に収監された人たちの思いは…。掘り起こしで明らかになる事実があるか、注目されます。