2024年に死去した声優・俳優の大山のぶ代さんを偲ぶ会が都内で開催されました。

大山さんが約26年間にわたり演じた国民的アニメ「ドラえもん」で、旧声優陣として共演した野村道子さんが、大山さんとの思い出や心境を語りました。
野村さんはドラえもんの旧声優陣で「源静香(しずかちゃん)」役を演じており、大山さんの死去から1年が経った今も、深い敬愛の念を抱いている様子でした。

野村さんは、大山さんの訃報を聞いた時のことを「去年、新幹線で大阪に行く途中だった」と振り返る。「12年会っていなかったので、どんな様子なのか分かってなくて」と語り、突然の知らせに驚いたといいます。
「色々な経過は風の便りでチラチラと聞いていましたが、それも嘘か本当か分からないですからね。でも心配はしていましたし、会いたかったです」と、会えなかった心残りを吐露しました。

野村さんは大山さんについて「大きい人でしたね、何に対しても、はっきりモノも言えて、博識で」と明かしました。「彼女の公演から帰ってくると、その土地の話をしてくれるんですけど、本当にいろんなことを知っていて」と語ります。
さらに「一緒に九州に行った時も、バスガイドさんよりも彼女の方がその土地に詳しくて」と、旅行の際のエピソードも披露。「いつも楽しい旅ができていました」と、共に過ごした時間を懐かしみました。

野村さんはドラえもんの声優を降板してから「もう21年目ですね」と時の流れを感じながらも、「ドラえもんという作品は偉大な作品なんだな、というのを今も身にしみて感じています」と語りました。

最近あった、ある噺家さんの真打ちのお披露目パーティーでは、「静香ちゃんの声でやってくれ」と頼まれ、「20年ぶりだから声が出るかな」と心配しながらも披露したところ、「ものすごい受けまして」と明かしました。
「その後、私が(旧)静香ちゃん(役)だとわかって、写真を一緒に撮りたいというおじさんが10人くらい並んだんです」と笑顔で話す野村さん。「40代、50代の方たちにとって、しずかちゃんはアイドルだったんだということが嬉しかったです」と、20年以上経った今も変わらぬ人気に感慨深い様子でした。
「どこに行っても、私たちのドラえもんを見てくださっていた方が、子どもの頃の思い出を楽しそうに話してくださる。それが今の私の生きがいというか...私の生活はそんな風に送れていることに感謝しています」と述べました。

取材の最後には、野村さんが、「しずかちゃん」の声で、大山さんへメッセージを送る一幕もありました。「ペコさん(大山のぶ代さんの愛称)、本当に長い間ありがとう。今も私、あなたに会いたいわ」と、キャラクターの声を通して旧友への思いを伝えました。

【担当:芸能情報ステーション】