「拒否権」はなぜ認められているのか… 「国際連合」機能不全の反省

大国が自分勝手に使っているようにみえる「拒否権」は、そもそもなぜ認められているのでしょうか。

大きな理由とされるのが、今の「国際連合」の前、1920年につくられた「国際連盟」が機能不全に陥り、第二次世界大戦を防げなかったことへの反省です。

まず「国際連盟」には、大国アメリカが参加していませんでした。また「全会一致」を原則としたため、“何も決められない”状態となり、満州事変やナチス・ドイツの再軍備などを止めることができないまま、日本もドイツも相次いで脱退。第二次大戦へとつながったことを受け、戦後にできた「国際連合」では、戦勝国側の5大国に「拒否権」を与えたのです。

しかし戦後80年を経て、パレスチナ問題やウクライナ問題で、この5つの安保理常任理事国だけが持つ「拒否権」の矛盾も露わになる中、今回、石破総理も国連総会の演説で「常任理事国の拡大」を訴えました。ただ、こうした安保理改革には常任理事国全ての賛成が必要で、ハードルが高いのが現状です。