太平洋戦争中、水没事故のあった山口県宇部市の長生炭鉱の坑口が掘り起こされて、25日で1年です。犠牲者の名前が刻まれた183の明かりがともされ、祈りがささげられました。

明かりをともしたのは、遺族への遺骨返還を目指して活動を続ける市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」です。

宇部市にあった長生炭鉱は、太平洋戦争中の1942年2月、坑道の天井が落ちて水没。183人が犠牲になり、犠牲者の遺骨は炭鉱内に取り残されたままとなっていました。

刻む会は1年前に坑口を発見。潜水調査の結果坑道内が崩れていることが分かり坑口からの遺骨発掘は難しいと判断しましたが8月、排気筒・ピーヤからの潜水調査で韓国のダイバーが複数の骨を見つけました。

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子共同代表
「長かったですよね。ここが開いてからの1年間というのは本当に。みんなの遺骨に対する思いが集まって遺骨を外に出すことができたなと思います」

メンバーらは揺れるあかりを前に手を合わせ、遺族への遺骨返還を誓いました。