執念でつかんだ世界陸上への切符

今年に入っても高熱に繰り返し悩まされ、今シーズン初戦と考えていた4月の織田記念陸上を体調不良で欠場すると、その後もアジア選手権を辞退するなど大会の欠場が続きました。今シーズン2戦目が世界陸上代表選考会を兼ねた7月の日本選手権。今年初めて2日間で3レース走る大会で身体への負担が心配されましたが、しっかり3位に。世界陸上出場へ残るハードルは参加標準記録突破のみとなりました。
福部真子選手
「準決勝の走り的には12秒5の中盤が見える手応えを感じました。焦らずにしっかり8月に記録を狙っていきたいし、上手く菊池病とも向き合えているので上手にやっていきたいと思います」
世界陸上出場を「ここで決めたい」と意気込み臨んだ8月のレース。前週の大会でケガをして発熱や左ひざと右アキレス腱の痛みも重なり、最悪のコンディションで懸命に走りました。
しかし、参加標準記録にあと0.01秒届かず。電光掲示板に表示された結果をみて福部選手はしばらく立ち上がることができませんでした。
福部真子選手
「病気にさえなっていなかったら練習して今頃世界にチャレンジ出来ていたと思うと、“たられば“がとまらないのが正直なところです」

泣いても笑っても東京世界陸上出場へラストチャンスとなった8月16日のレース。
病と向き合いながらの世界への挑戦は最後の最後に、世界陸上参加標準記録ぴったりの12秒73。執念で代表の切符をつかみ取りました。